AIへの質問や依頼は「プロンプト」と呼ばれます。難しい命令文を覚える必要はありません。ChatGPT・Claude・Geminiのどれでも、同僚へ仕事を頼むように、背景と完成形を具体的に伝えることが基本です。短い型を一つ覚えるだけで、回答を直す回数を減らせます。
結論:5つの情報を順番に伝える
良い質問には、目的、読み手、材料、条件、出力形式の五つがあります。すべてを長く書く必要はありません。「誰に何を伝えたいか」と「どの形で返してほしいか」が分かれば、AIは方向を合わせやすくなります。
目的+読み手+材料+条件+出力形式。この順で伝え、足りない情報はAIに質問してもらうのが基本です。
「メールを書いて」だけでは、相手との関係、用件、長さが分かりません。AIは空白を推測して埋めるため、意図と違う内容を足すことがあります。必要な情報を先に渡すことは、文章の質だけでなく、誤った推測を減らすためにも役立ちます。
5つの要素の考え方
目的は、文章を読んだ人にどうしてほしいかです。「知らせる」「確認を得る」「参加を検討してもらう」のように動詞で書きます。
読み手には、社内か社外か、知識があるか、相手との関係を示します。材料は、AIが使ってよい事実です。日付や場所など、変えてほしくない情報は明確に分けます。
条件は、長さ、文体、避けたい表現、締め切りなどです。出力形式では、メール、表、箇条書きといった完成形を指定します。厳密な形が必要なら、見本を示す方法も有効です。
そのまま使える基本テンプレート
次の形をメモしておくと、3サービスで共通して使えます。
次の目的で文章を作成してください。
目的:[読後にしてほしいこと]
読み手:[相手と知識の程度]
材料:[使ってよい事実やメモ]
条件:[長さ、文体、必須事項、避けること]
出力形式:[メール、表、箇条書きなど]
材料にない事実は追加しないでください。
不足している情報があれば、作成前に質問してください。
たとえば、会議案内なら「目的:出欠を回答してもらう」「読み手:同じ部署の10人」「条件:300字以内、丁寧だが堅すぎない」と書きます。日時と場所は材料に入れます。これだけでも「誰へ何を伝える文章か」がはっきりします。
最初から完璧な質問を作ろうとせず、回答を見て一つずつ直します。「もう少し分かりやすく」ではなく、「一文を60字以内に」「最初に結論を置く」「専門用語の後に短い説明を付ける」のように、変えてほしい場所と基準を伝えます。
回答が合わないときの追加質問
方向が違う場合は、最初の依頼をすべて書き直す必要はありません。次のように、良い部分を残しながら差分を伝えます。
- 構成はそのままに、本文を半分の長さにしてください
- 2段落目の説明だけ、初心者向けに言い換えてください
- 日付と金額は変更せず、断定的な表現をやわらげてください
- 3案を出し、それぞれの違いを一行で説明してください
結果を評価する基準も伝えると、修正の方向が安定します。「正確さを最優先」「親しみやすさより簡潔さを優先」のように、迷ったときに何を優先するか示してください。
質問へ入れてはいけない情報
具体的な材料は必要ですが、具体的であることと、機密情報を入れることは別です。顧客名、個人の連絡先、パスワード、契約前の数字、未公開の人事情報などは入力しません。架空名への置き換えや、必要部分だけの抜き出しで対応します。
また「必ず正しい答えを出して」と書いても、誤りを完全には防げません。重要な事実は、AIへの指示ではなく、元資料や公式情報との照合で確かめます。
まとめ
AIへの質問は、特別な呪文ではありません。目的、読み手、材料、条件、出力形式を、仕事を頼む相手に説明するように並べます。最初の回答を完成品と考えず、変えたい場所と基準を具体的に伝えて修正しましょう。安全な材料だけを使い、最後に人が確認するところまでが、良いプロンプトの使い方です。