対話型AIでアンケートの質問案を作る方法

調査目的と回答者を定め、誘導や二つの質問が混ざる表現を避けながら、対話型AIでアンケートのたたき台を作る手順を紹介します。

AIはアンケートの質問を短時間で多く出せます。しかし、「便利だったと思いますか」のように回答を誘導したり、「内容と時間は適切でしたか」のように二つの論点を一問へ入れたりすることがあります。

結論:集めた回答を何に使うか先に決める

質問を作る前に、調査目的、回答者、調査後に決めることを一文にします。質問ごとに「この回答で何を判断するか」を付けると、何となく聞くだけの項目を減らせます。

AIの案は調査設計の完成品ではありません。個人情報、回答者への負担、組織の調査ルールを人が確認し、少人数で試してから実施します。

1. 調査目的を一つに絞る

「研修の満足度を知る」だけでは、その後の改善につながりにくくなります。「次回研修の説明量と演習時間の配分を決める」のように、結果から変えられる項目を示します。

目的が複数ある場合は、優先順位を付けます。人事評価など別の目的に後から転用しないよう、回答者への説明と利用範囲も決めます。

2. 回答者と実施条件を伝える

回答者が初参加か経験者か、回答時間は何分か、匿名か記名かをAIへ伝えます。スマートフォンで回答するなら、長い表や複雑な選択肢を避ける条件も付けます。

氏名、健康状態、評価など慎重に扱う情報を集める場合は、AIで簡単に作らず、必要性、保存期間、閲覧者を担当部署へ確認します。

3. 一問一論点にする

「資料は分かりやすく、講師の説明は適切でしたか」は、資料と説明のどちらを評価したか分かりません。二問に分けます。「非常に良い」など評価を含む前置きも避けます。

期間や対象が曖昧な質問には、「今回の90分の研修」「直近一か月」のように範囲を付けます。回答者が覚えていない場合の選択肢も検討します。

4. AIへ頼む質問例

社内研修後アンケートの質問案を作ってください。
目的:次回の説明量と演習時間の配分を決める
回答者:今回初めて参加した社員
回答時間:3分以内、スマートフォンで回答

一問一論点とし、特定の回答へ誘導しない表現にしてください。
各質問に、回答形式と「結果を何の判断に使うか」を付けてください。
個人情報は尋ねないでください。

選択式だけでなく、理由を任意で書ける欄を一つ設けると、数字の背景を知る手掛かりになります。自由記述を必須にすると負担が増える点も考えます。

5. 選択肢の重なりと抜けを確認する

年数や回数の範囲が重ならないようにします。「1〜3回」「3〜5回」では3回が重複します。「0回」「1〜2回」「3〜5回」「6回以上」のように分けます。

当てはまらない人のために「利用していない」「分からない」「回答しない」を用意する必要があるか確認します。無理に肯定か否定を選ばせると、結果がゆがみます。

6. 少人数で試して直す

本番前に、対象者に近い数人へ回答してもらいます。質問の意味が同じように伝わるか、所要時間、答えにくい項目、選択肢の不足を聞きます。

AIへ改善を頼む場合も、実際の回答や自由記述に個人を特定する情報がないか確認します。集計方法と削除時期を決め、調査目的を超えてデータを持ち続けないようにします。

7. AIに回答データを渡す前に判断する

質問案の作成と、集まった回答の分析は別の作業です。自由記述には、質問で求めていなくても氏名、健康、職場の出来事などが書かれることがあります。分析のためにAIへ入力する前に、利用が認められているか、必要な匿名化ができるかを確認します。

少人数の部署では、属性別の集計だけでも回答者が分かる場合があります。結果を共有するときは、人数が少ない区分をまとめる、原文をそのまま引用しないなどの方法を検討します。回答者へ伝えた利用目的と公開範囲を超えないようにしてください。

判断に迷う回答は、分析対象から外す基準も事前に決めます。

まとめ

AIでアンケート案を作るときは、調査結果で何を決めるかを先に定めます。一問一論点、誘導しない表現、重ならない選択肢を条件にし、回答の利用目的も付けます。少人数で試し、必要な情報だけを安全に集める形へ人が仕上げましょう。

公式出典

  1. OpenAI Help Center「Prompt engineering best practices for ChatGPT」2026年7月24日確認
  2. Google Workspace Learning Center「Start with a great prompt」2026年7月24日確認